水平磁気記録方式
水平磁気記録方式(すいへいじききろくほうしき)は、磁化膜に対し磁気異方性を水平になるよう磁性体を配置し、磁化する記録方式。磁気ディスクにおいて長らく使用され続けている方式です。面内記録方式ともいいます。磁界方向が向き合っているため隣接した磁区同士で反発や吸引を引き起こし、高密度化すると磁力の減衰が起こってしまう問題があります。
垂直磁気記録方式
垂直磁気記録方式(すいちょくじききろくほうしき)は、磁化膜(磁性体)に対して垂直に磁化する記録方式。六角板状バリウムフェライトなどの磁性体を使った垂直磁気記録テープは1970年代後半に実用化された。また1980年代にはMO(光磁気ディスク)で採用、近年では磁気ディスク、特にハードディスクドライブにも採用されています。
2000年に入り、強磁性体や薄膜ヘッドの著しい進歩の結果として東芝2005年、垂直磁気記録方式を採用した磁気ディスク装置を世界で初めて商品化、磁気ディスクの大容量化がますます加速しました。
磁性体
磁性体磁性体(じせいたい)とは、平易には磁性を帯びる事が可能な物質であり、専門的には反磁性体・常磁性体・強磁性体の3つに分けらます。すべての物質が磁性体であるといえますが、普通は強磁性体のみを磁性体と呼びます。比較的簡単に磁極が消えたり反転してしまう磁性体は軟質磁性体と呼ばれ、そうでない磁性体は硬質磁性体と呼ばれます。
代表的な磁性体に酸化鉄・酸化クロム・コバルト・フェライトなどがあります。
保磁力
保磁力(ほじりょく, Coercivity)は磁化された磁性体を磁化されていない状態に戻すために必要な反対向きの外部磁場の強さをいいます。抗磁力(こうじりょく)ともいいます。
保磁力の単位には、CGS単位系ではエルステッド [Oe] 、SI単位ではアンペア毎メートル [A/m] をもちいます。1 [A/m] は 4π×10-3 [Oe] 。
磁気異方性
磁気異方性(じきいほうせい,magnetic anisotropy)とは、強磁性体中の磁気モーメントの向きによって、その内部エネルギーが異なる性質をいいます。内部エネルギーが異なるため、磁気モーメントが向き易い方向(磁化容易方向)と、向き難い方向(磁化困難方向)が存在することになります。
応用の一例としてはクリップ磁石が挙げられます。一般的な棒磁石は長尺方向に磁極が発生し、短尺方向では発生しない(形状磁気異方性)。ところが黒板にメモ紙をクリップする磁石は、長尺方向ではなく面方向に磁極が生まれます。これは結晶磁気異方性を応用した設計によるものです。また,ハードディスクも結晶磁気異方性を利用しています。ハードディスクの記録層には、構造のCo系合金が用いられており、個々の結晶粒の磁化は磁化容易方向であるc軸方向のどちらかを向いています。この向きによりデジタル情報を記録しています。
MFM撮影
MFM撮影とは、走査型プローブ顕微鏡を利用しプローブの先端で受ける磁力の力(強弱)を画像(色の濃淡)にし撮影してます。一般的にS-Nの磁力の幅(強さを)を黒-白の色の違いで表わすのが一般的です、また色補正を利用しわかりやすく赤や青で表わす場合もあります。
磁気モーメント
磁気モーメント(じきモーメント)は、磁石の強さを表す量。磁石の特性である方向を表現するためにベクトルであらわされます。磁気モーメントは周囲に磁束を作ります。
SI単位系
現在の国際基準であり、長さの単位にメートル [m]、質量の単位にキログラム [kg]、時間の単位に秒[s]を用い、この3つの単位の組み合わせでいろいろな量の単位を表現している。
CGS単位系
長さの単位にセンチメートル [cm]、質量の単位にグラム[g]、時間の単位に秒[s]を用い、この3つの単位の組み合わせでいろいろな量の単位を表現している。
磁界
磁場の強さを表す。単位としてはSI単位系でアンペアパーメータ[A/m]、cgs単位系でエルステッド [Oe]となります。また、磁束密度を表す単位としてはSI単位系でテスラ[T]、cgs単位系でガウス[G]となります。
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